SIM-Drive(シムドライブ)先行開発車事業第1号の記者発表会で、清水浩社長は「地域活性化」という言葉を時折はさみながらプロジェクトを説明した。
[先行開発車のイメージ] 自動車完成車メーカー、電池関連メーカー、自動車部品関連メーカー、精密機器メーカー、重工業、商社など、今回34の企業・団体が参加しているが、その中には自治体も含まれている。岡山県と鳥取県だ。
この2つの自治体の参加理由について同社は「地場産業育成の観点から」と説明している。岡山・鳥取ともにさらに具体的な参画内容を関係者が語った。
岡山県は「県の主要産業のひとつに自動車関連産業がある。今回は、次世代電気自動車への移行期に我々自治体と県の関連企業などがどう対応できるか、また新たに他の業種からの参画がどこまでできるかという可能性を探ろうという狙いで参加した。地場産業を支援していく県としても、電気自動車の最新のノウハウを習得しておくべきとも考えている」と。
鳥取県は「県内に自動車部品の中小企業が50 - 60社あり、このプロジェクトへの参加を県が募ったところ、11社が手を挙げた。こうした企業の意向を県がまとめて、鳥取県というチームで参画することを決めた。11社から集めた負担金と県の一部補助金を合わせて同プロジェクトへの参加費用を納めた。こういうチャンスを活かしてチャレンジしていこうと、今は意気込んでいる」と話す。
経済産業省中国経済産業局がまとめた資料には、広島県にあるマツダ関連と岡山県にある三菱自動車水島製作所関連の2つを柱とした自動車関連産業のネットワークを、さらに付加価値の高いものにするという目標が掲げられている。中国地方の関連産業どうしの連携体制を強化しながらも、各自治体は地場産業の今後の生き残り策として、こうした先行開発車事業などに積極的に参画し、地元企業などとの技術共有、ノウハウのフィードバックに取り組もうとする姿勢がうかがえる。
《レスポンス 大野雅人》
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