中国産ウナギの産地偽装事件で当時の社長らが有罪判決を受けた水産物輸入会社「魚秀」(大阪市中央区)が大阪国税局の税務調査を受け、平成21年3月期までの2年間で、所得1億2千万円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。ほぼ全額が所得隠しと認定された。偽装工作に支出した謝礼や報酬が対象で、重加算税を含め数千万円を追徴課税されたもようだ。
関係者によると、魚秀は中国産ウナギを「三河一色産」と偽装するための謝礼や報酬の名目で、魚秀と水産物卸売会社「神港魚類」(神戸市)の取引仲介に協力した東京の商社2社に約4千万円、偽装ウナギを買い取った神港魚類の担当課長に1千万円、箱の詰め替え作業を担当した高松市の水産加工会社元専務に1億円をそれぞれ渡していた。
国税局は、商社2社と担当課長に渡した計5千万円は、全額が不正行為に関係する費用で損金算入できないと指摘。元専務に渡した1億円についても、詰め替え作業の人件費など一部を除き同様に損金算入を認めず、所得隠しと判断した。
魚秀は「税務調査を受けたのは事実。国税当局の指摘に従って修正申告した」としている。
一連の事件では、魚秀の当時の社長らが兵庫、徳島両県警に逮捕され、不正競争防止法違反罪で起訴された5人に対して昨年4月、神戸地裁で有罪判決が言い渡された。
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